理学療法士と作業療法士の違い。リハビリの内容を比較してみる。自分に合うのはどっち?

2018/05/30


入っちゃったら変えられない

入学後半年くらいたってから、「科は変えられないんですか?」と質問されることがあります。
「入ってみたら、自分に合うのは理学療法士だと気づいた。」あるいは「作業療法士だと気づいた。」という話。

えええ!?いまさら〜!?

とは思わないです。
わりとよくあることですから。

結論から言うと、残念ながら、それは出来ないんですね。

じゃあ何が違う?

どちらもリハビリテーション専門職。
どちらも国家資格。
同じ職場なら基本給も資格手当も昇給も変わらない。

ここだけの話、病院でいっしょに働いている職員も違いを知らなかったりする(;´∀`)

脳卒中のリハビリテーションを例にとって、違いを説明します。

脳卒中とは、脳の血管が破れたり詰まったりする病気で、体の半身が麻痺します。
軽症か重症かによりますが、起きる、歩く、食事、着替え、会話など、さまざまな障害が出ます。

理学療法士のリハビリは畑を耕すこと、作業療法士のリハビリは収穫すること、と言われることがありますが、それぞれのリハビリの違いを見ていきましょう。

理学療法士のリハビリ

寝返り、起き上がり、座る、立つ、歩く…人間の基本的な運動、粗大運動のリハビリを担当します。
理学療法士は基本動作のリハビリを担当します。

基本動作は、主に体幹と脚が使われるので、体幹や脚の知識が豊富になっていきます。
例えば脚の骨折のリハビリは理学療法士が担当します。

病院では「脚の先生」と呼ばれることもありますが、もちろん脚だけじゃなく、全身の勉強をします。
専門は基本動作ですが、それはあくまでもその職場での役割分担。
理学療法は全身の理解が必要です。

作業療法士のリハビリ

食事、着替え、トイレ、家事、パソコン操作、コミュニケーションなどのリハビリを担当します。
作業療法士は応用動作のリハビリを担当します。

応用動作は手を使うものが多いので、手に関して知識が豊富になっていきます。
例えば手の骨折のリハビリは作業療法士が担当します。

病院では「手の先生」と呼ばれることもありますが、もちろん手だけじゃなく、全身の勉強をします。
専門は応用動作ですが、それはあくまでその職場での役割分担。
作業療法も全身の理解が必要です。

理学療法士っぽいひと、作業療法士っぽいひと

リハビリの内容を見て、自分に合ってそうな方を選べばいいのですが、もう一つ、選択の参考として、現場の療法士には「理学療法士っぽい」とか「作業療法士っぽい」のような傾向があります。

あくまで私が勝手に思う「っぽさ」ですけどね(笑)

例えば、理学療法士はサバサバした人が多いような気がします。

それから理学療法士っぽい人は、「他人から論理的、理屈っぽい説明をされても苦にならない」とか「逆にふわっとした感じが苦手」とか「結論や答えを出したがる」とか、そういう傾向。

作業療法士に比べて体育会系の割合は高いです。

作業療法士は、全体的におっとりした人が多いような気がします。
「体育会系のキビキビした感じが苦手」とか「ふわっとした説明でもなんとなく理解できる」「 答えのない会話も大丈夫」とか、そういう傾向。

なんとなくわかりますかね。

詳しく知って、後悔しない選択をしてほしい。

当校では、オープンキャンパスで、理学療法・作業療法、両方の体験授業が受けられます。
別々の日に受けてもいいですし、同じ日に両方受けられるときもあります。

オープンキャンパスで担当の教員にどっちが合っているか直接質問するのもありですし、在校生もアシスタントで出席しているので、教員に聞きにくいことは学生に聞くのもありだと思います。

理学療法士・作業療法士、それぞれできることが違うので、よく調べて、よく理解して、できれば自分に合う方を選んでほしいなと思います。