すいすい水彩画!

2019/11/29


木々の葉が色づき始めたころ、こども科では水彩画の授業が行われました。

秋晴れの中庭で

この日は、とても気持ちのよい秋晴れの中での授業となりました。

中庭で、思い思いの場所で下書きをしていきます。

ICT化の波

見たものを見たまま描くわけではないのですが、モチーフをそれぞれ写真に収めておきます。一人一台、写真を撮影しその画像データを閲覧する機器を持っているのですから、便利な時代になったものです。

保育における情報通信機器の利用でいうと、保護者とのやりとりに使われている連絡帳をデジタル化し、子どもたちの活動の様子を写真や動画で伝える保育所も出てきているようですね。

色とのめぐり逢い

彩色にあたっては、もちろん混色が前提になります。

水彩画の場合は水で薄めるため、透明感が出ます。この透明感が水彩画の命といっても過言ではありません。白はなるべく使わずに、水の量で表現していきます。

試し塗りをしながら調整していきます。

同じ色は大量には作りません。その都度色を作っていきます。前に塗った色と違っていても、それが味になります。

花からでも葉っぱからでもいいんです。自分の好きなところから塗っていきます。

場所によって、光の当たりかたによって、色は異なります。違う色で表現しなければなりません。

ただ、その違いを出すのはあとからでも大丈夫。別の色を重ねてもいい。これも味になります。

絵の具の紫と実際の花の紫は違う色です。同じ花弁でも違う色の部分があります。赤や青、他の色を混ぜていくことで深みが出てきます。

色の濃淡で立体感も出てきます。どれひとつとして同じ色はありません。同じ花をモチーフにしても違う作品ができます。

バランスが大切

花や葉を一通り塗り終えると、茎や幹、周りの構造物や地面の彩色に移っていきます。

実物のレンガはこんな色であっているのですが、塗ってしまうと色が強く、葉っぱや花が弱まってしまいます。

今回は、背景を薄くグレーに塗り、レンガの色を相対的に弱めることにしました。

場合によっては、葉っぱや花を塗り直して存在感を出していきます。

水彩画は、塗らないところがあっても作品として成り立ちます。

写真の通りに描こうとするではなく、バランスを考えながら調整していきます。

感じたものを表現する

忙しい毎日の中、ふと中庭に出て自然に触れてみると、いろいろな想いが去来します。

見て、感じて、立ち止まって考えてみて、また感じて……。心に映ったものを、残してみたくなりませんか?

水彩という表現技法を学習した今回の授業では、植物と出会って感じたものを紙の上に表現する中でもまた、さまざまな色との出会いがありました。

自然に触れて、ときにはリフレッシュをしながら、豊かな感性を育んでいきたいですね。