筋肉(のトレーニングを地道に行い体幹と筋力を鍛えるという、自分自身を見つめ直して保育士としての将来に向かって行う努力)は裏切らない!

2021/10/20


保育士の仕事はよく、体力勝負と言われます。

実際、1年次に姉妹園で行っている観察実習では、とにかく動きまわる子どもたちに四苦八苦。園から学校に戻るバスでは、学生はみな疲れて眠ってしまいます。

今回は、「保健体育実技」の授業で体力づくりを行っていたので、その様子をお伝えしたいと思います。

まずは準備体操

最初は屈伸や前後屈など、一人で身体の各部位をほぐしていきます。

一通り終わると、次は2人で組んでストレッチを行います。背中や腰、足の裏側をしっかり伸ばします。

毎回、これらの準備体操をじっくり時間をかけて行い、身体を温めながらほぐしていきます。

ブリッジも行いました。ブリッジの姿勢になるための補助と身体を伸ばす動作のために、ペアの相手はうずくまる姿勢になります。

大人になると身体が硬くなってしまい、なかなかこのブリッジの姿勢を作るのが難しくなります。身体が柔らかい子どものうちに、この体勢ができたという経験をしておきたいものです。そのためには、子どもに手本を見せられるように、まずは自分ができるようにしておかなければなりません。

さて、本日のメイン

今回行った筋力トレーニングは、腹筋運動・スクワット・腕立て伏せです。いずれも自分の身体自体の重さを使った基本のトレーニングです。

筋力トレーニングは単に筋肉量を増大させるだけでなく、基礎代謝が向上して太りにくい身体になる、体幹が鍛えられて姿勢が良くなるといった効果もあります。日常生活をより良くしていくためのトレーニングなんですね。

まずは腹筋運動から

腹筋運動は、マットの上で行います。膝を曲げ、手を胸の前でクロスし、上体を起こします。

このとき、かかとの位置で負荷を調節します。かかとをお尻に近づけるほど、上体を起こすことが難しくなります。ちょっとキツイなと思うところで10回やってみました。

この腹筋運動、普段立って生活するうえで必要な筋力があれば行えるものだそうです。もしうまく上体を起こせないとしたら、筋力がないわけではなく、どう起こせばいいかうまく脳が認識できていないのかもしれません。

お次はスクワット

スクワットでは、太ももの裏側の筋肉を鍛えます。手で触ってみると分かりますが、立った姿勢からそのまま屈むと、太ももの前側の筋肉が硬くなりがちです。このとき、裏側を触ってみると柔らかいままなことが分かります。

太ももの裏側を鍛えるには、お尻を突き出すように屈みます。手を鼠径部に当てて屈むと、手が挟まる姿勢です。これも10回行いました。

正しい姿勢で行うことが大切です。かかとは浮かさず、背中は丸まらないようにし、膝が痛くならない姿勢を保ちます。

手を頭の後ろで組み、肘を開き、壁に向かって立って確認しました。お尻を突き出す姿勢でないと、壁にぶつかってしまいます。

膝を90度まで曲げるスクワットの動作は、何かを持ち上げるときに腰を痛めずに済む姿勢になります。

そうです! 保育士が子どもを抱きかかえたりするときに気を付けたい姿勢ですね!

もちろん、荷物を運ぶ際にも有効な姿勢です。

最後は腕立て伏せ

胸の筋肉を鍛えていきます。手の位置は胸の前、肩幅より少し広げます。

この手の位置関係は、「たかいたかい」の姿勢をとるときに、身体に余計な負荷をかけずに済みます。保育士として覚えておきたい姿勢ですね。

今回のトレーニングでは、膝を付けたまま90度の姿勢をとります。

膝の位置を下げるほど、強度が上がっていきます。

なるべく目線は目の前に。下を向かずに行います。10回!

このあと、さらに強度を上げたトレーニングを行いました。腕立て伏せが最後ではありませんでした。

腹筋運動は、左右にひねりを加えてバイシクルクランチ。

スクワットは、足を大きく開いてつま先を広げてワイドスクワット。

腕立て伏せの姿勢から、足と肘を付けるスパイダープッシュアップ。

などなど。

どんどんきつくなっていくメニューにも、しっかりくらいついて頑張っていました。

最後は整理体操をして終了。

筋肉痛にならないといいなあ……なるんだろうなあ……。

身体のゆがみに気づく

今回行った筋力トレーニングは、いずれも道具を使わず、自重を活かしたトレーニングになります。

腰が痛くなったりするようであれば、正しい姿勢が保てていないと考えられます。

なかなか正しい姿勢が取れないとしたら、普段の生活で、足を組んだり、椅子にズレた状態で座ったりしていませんか? 普段の生活で姿勢がズレてしまっているとしたら、普段の生活で姿勢のゆがみを直していくことが大切です。

普段組んでいる足を逆に組んでみたり、手提げバッグの持ち手を逆にしてみたり。

意識しないと、いつの間にか元の足に組み直したり、持ち手を元の手に戻したりしてしまいます。

無意識の意識化

この、「無意識の意識化」が大切なんです。

まずは、自分のクセに気づき、必要があればそれを修正していくこと。すなわち、自分を客観的に見つめ直し、課題を認識し、自己研鑽に励むこと。

筋力トレーニングにしても、保育者としても、同じですね。

気づくための努力。課題を意識した日々の鍛錬。これを当たり前のこととして日常的に行っていくことが大切なんです。

子どもとかかわるための基礎体力作り、みんな家でも筋力トレーニングを頑張ろうね!