徹夜、夜中まで指導、飲み会強制参加、パワハラ…実習あるあるは本当か?対策はあるのか?

2021/01/22


実際にありました・・・

YoutubeやSNSで「臨床実習あるある」があって、それを見た学生から「実習こわいんですけど」と相談があったので今日はその話。

私はアラフォーOT教員ですが、当時を思い返すと徹夜はフツーにありました。飲み会の強制参加もありました。飲み会のあともきっちりとレポート提出は求められたので、常に意思を強くもっていないと眠気と疲労でフラフラしたのを覚えています。

幸いにも、私の実習先では、長期の実習の後半に1,2度徹夜があった程度でした。飲み会は断ることもできなくはないけれど、立場的に断りにくい・・・まあこれパワハラなんですよね。

実習あるあるの直撃を受けた友人もいました。SNSのなかった当時、メールで実習の情報交換をしてました。寝れない、つらい、辞めたい、帰れと言われる、放置される、何もしないと怒られる、何をしても怒られる、何を求められているかわからない・・・そんなメール。

最終的に受かりましたが、理不尽だなと。

個人レベルでは教え方が上手くて学生の成長を願う指導者が大半だった。

私の指導者がまさにそうだったのですが、今思い出しても技術が優れていて、話がわかりやすく面白い。学校とは違う疲労感があるので毎日クタクタでしたが、とにかく充実していました。長期の実習期間中に2,3度の徹夜はあったものの、正直いって「いや~当たりだな~」と思いながら実習していました。

集計をとったわけではないけれど、クラスメイトの大半は充実した実習とていたと思います。

私も現場で指導をするようになってから、自分の実習を思い出して良い点は取り入れ、非効率的な点は改善するようにしてきました。

ちなみに個人的にものすごく嫌だったのは・・・

・・・例えば頑張って記録ノートやレポートを早く仕上げたとします。そういう日が続くと「余裕があるみたいだから、担当症例もう一人つけるね」となるのです。

いやいやいや勘弁しくてください汗。

頑張ったのに課題が一気に2倍、3倍に。山を登りきったらそこから山が生えてきた感覚。それが嫌だったので、ぎりぎりで頑張らないようにしていました(笑)効率悪いですよね。

私は学生指導をするにあたり、状況に合わせて課題の量を減らすことはしても、増やすことはしないようにしよう、と心に決めました。

それから「見学させて、考えさせる。わからない。さらに考えさせる。わかったら実際に触る」という流れの実習は非常に嫌でした。わからなければ一晩中考えることになりますよね。これが睡眠時間を削る1つの原因です。

一方で、私の指導者はまず説明しながらやり方を見せてくれました。つまり答えが最初。答えを教えると学生が考えなくなる、という批判も聞きますが、学生はロボットじゃない。大丈夫。わかってなさそうだな~という雰囲気のときはもっと教えればいいのです。

この実践的な指導方法は「クリニカルクラークシップ」と呼ばれ、現在では指導方法の主流となっています。

個人レベルでは大半が良い指導者なのに、なぜ理不尽な実習になるのか。パワハラがおこるのか。

これには3つ理由があると思っています。

まずひとつ目は単純に「個人レベルでいい指導者がいるように、個人レベルで良くない指導者もいる」ということ。そりゃいますよね。

2つ目は「組織として良い指導者を育てる仕組みがなかった」こと。ほぼ個人の力量に委ねられていました。また、実習に対する考え方も個人次第で、もし指導者が「厳しければ厳しいほど学生は育つ」と考えていれば厳しくなるしかない、という状態でした。

3つ目は「パワハラという概念がなかった」…いや恐ろしい。

 

対策も進んでいる。臨床実習指導者講習会という新しい基準

これまでも厚労省や日本作業療法士協会は臨床実習の指針、基準について定めてきました。しかし実際にその通りにやるかどうかは指導者個人による、という状態でした。

これが2020年度から大きく変わり、まず指導できる作業療法士あるいは理学療法士は、臨床経験5年以上、かつ16時間の臨床実習指導者講習会を受けたものに限定されるようになりました。

16時間というのは結構大変でして、週末の朝9時から夕方6時くらいまで、昼休みなどはさみながら丸2日間やります。

これによって、これまで個人に委ねられていた指導方針がリハビリ部門共通の認識になってきています。

先輩OTは充実した実習にしたいと思っている。それが形になってきている。学生にはそのことを知ってほしい。

講習会の様子。今年は全てオンライン。受講者は自宅かそれぞれの施設で受けることになります。

講習会では指導方法やパワハラなどの講義・演習を行います。演習では他施設と実習の取り組みに関する情報交換もします。

私は講習会の主催側として何度か参加しているのですが、その情報交換から、各施設の作業療法士は、学生指導をより良いものにしたいと考え、さまざまな改善を行っていることがわかりました。

1つ紹介しますね。

ある病院は、実習最終週に症例発表会を実施していました。しかし発表後はしばしばスタッフからの質問や助言という名の集中砲火状態になっていました。学生にとっては恐怖ともいえる大きなストレス。その恐怖は作業療法士になるために必要なストレスなのか、メリットはあるのか、デメリットのほうが大きいのではないか。

そこでスタッフからの直接の質問やアドバイスを禁止としました。アドバイス等があれば、指導担当に伝え、それを集約して後日落ち着いたときにフィードバックしているそうです。

指導者個人だけでなく、組織全体で学生のメンタルヘルスケアにとりくんでいることがわかります。

学生ができる対策は?

早めに学校に相談してください。週に1回の定例報告はありますが、それ以外でもすぐに相談するように学生には伝えています。相談を受けて、学校と実習指導者の間で話し合いが持たれ、指導方法や到達目標の調整を行うことになっています。

実際は、多くの場合学生よりも先に実習指導者から「大変そうなので、学校からの課題の量を減らしてもよろしいでしょうか」といった電話がきます。以前は、到達目標を下げることは学生のタメにならない、という考える人が多く、それゆえ厳しくはなるけれど優しくなることはありませんでしたが、最近は状況に合わせて柔軟に調整することが一般的になっています。

 

まとめ。昔はたしかに大変だった→今はかなり改善されている。

現場の指導者は将来の作業療法士を育成するために真摯に指導していて、対策も進んでいます。臨床実習が理由で進路を変更するのはちょっと違うかなと思いますが、不安があるのはわかります。病院ってなんか怖そうな感じしますしね。

もっと詳しい話が聞きたい人は、オープンキャンパス個別相談会LINEでのオンライン相談などを利用してもらえたらと思います。